ECカート別ソーシャルログインの導入方法|EC-CUBE・makeshop・futureshop・SFCCなどを比較
ソーシャルログインの入れ方は、使っているECカートで大きく変わります。SaaS型は標準機能の範囲で、EC-CUBEやWooCommerceはプラグインで、Salesforce Commerce Cloudはカートリッジの開発で対応するのが一般的です。本記事では主要カートの方式を比べ、導入後に困らないための確認項目を示します。
ECカートにソーシャルログインを導入するとは、カートの会員登録・ログインを、LINEやGoogleなどのアカウントで行えるようにすることです。入れ方はカートの種類で大きく違い、標準機能・プラグイン・外部サービスとの連携・独自の開発の4つに分かれます。
ソーシャルログインの基本(仕組み・メリットとデメリット・選び方)はソーシャルログインとはで解説しています。
結論:カートで「できること」と「対応SNS」を先に確認する
ソーシャルログインの入れ方は、使っているカートがどこまで手を加えられるかで決まります。SaaS型のカートは標準機能やオプションの範囲で、パッケージ型やオープンソースのカートはプラグインや開発で対応するのが一般的です。
導入方式 | 内容 | 手間と費用 | 自由度 |
|---|---|---|---|
標準機能・オプション | カートが用意した機能を管理画面で有効にする | 小さい | 低い。対応SNSはカートが決める |
プラグイン・アプリ | カートのストアで配布される拡張機能を入れる | 小〜中 | 中。プラグインの対応範囲による |
外部サービスとの連携 | ソーシャルログインの専用サービスやIDプロバイダを、APIやOIDCでつなぐ | 中 | 中〜高。SNSを1か所でまとめて管理できる |
独自の開発 | カートの拡張の仕組み(カートリッジなど)で、ログイン処理を作る | 大きい | 高い。保守も自社で持つ |
主要なECカート別の導入方式
2026年9月時点で各カートの公式情報から確認できた内容です。機能の名称や提供条件は変わるため、導入前に各カートの最新の案内を確認してください。
カート | 主な導入方式 | 公式情報で確認できたこと |
|---|---|---|
Shopify | 標準機能/外部のIDプロバイダ(OIDC)/アプリ | 標準でGoogle・Facebookなどのサインイン。自社のIDプロバイダの接続はShopify Plusのみ |
EC-CUBE | プラグイン/独自の開発 | 公式のオーナーズストアで、LINEログインやソーシャルログインのプラグインが配布されている |
MakeShop(makeshop) | 標準機能 | 「LINE ID連携」を無料で提供。新管理画面のみ対応 |
futureshop | 有料オプション | LINE・Apple ID・Googleアカウント・Amazonアカウントでのソーシャルログインを提供 |
Salesforce Commerce Cloud(B2C Commerce) | 標準の仕組み+カートリッジ/外部のIDプロバイダ | 管理画面でOAuth2プロバイダを設定できる。APIの認証(SLAS)はOIDCのIDプロバイダに対応 |
WordPress/WooCommerce | プラグイン/独自の開発 | WooCommerceの公式マーケットプレイスに、ソーシャルログインの拡張機能がある |
Shopify
現行のお客様アカウントでは、管理画面からGoogleやFacebookなどのサインインを追加できます。LINEは標準の選択肢に含まれておらず、Shopify Plusで外部のIDプロバイダを接続する方法が中心になります。従来のお客様アカウントは2026年2月に非推奨になりました。詳しくはShopifyにソーシャルログインを導入する方法で解説しています。
EC-CUBE
EC-CUBEは、公式のオーナーズストアで配布されるプラグインで機能を足すのが基本です。LINEログインや、複数のSNSに対応するソーシャルログインのプラグインがあります。ソースコードを自社で持てるため、プラグインで足りない部分は独自に開発することもできます。
- プラグインごとに対応するEC-CUBEのバージョン(4.2・4.3など)が違う。本体を更新する前に対応を確認する
- プラグインの中には、外部の認証サービスとつなぐ前提のものがある。その場合は、外部サービスの料金も別にかかる
MakeShop
makeshopは「LINE ID連携」を無料で提供しています。連携した会員は、LINEでワンクリックでログインできます。利用するには、自社でLINEビジネスIDを登録し、LINE公式アカウントとLINEログインのチャネルを作成する必要があります。連携は、新規会員登録・マイページ・注文完了ページから行えます。LINE以外のSNSでのログインを入れたい場合は、対応の可否をmakeshopに確認してください。
futureshop
futureshopは、LINE・Apple ID・Googleアカウント・Amazonアカウントでのソーシャルログインを提供しています。LINEについては、会員とLINEのIDを連携し、条件を絞ってメッセージを送る機能もあります。ソーシャルログインはいずれも有料オプションです。LINE連携オプションは月額3,000円、Apple ID・Googleアカウントログインオプションは月額3,500円(commerce creator を使うショップが対象)、Amazonアカウントは他社ID決済オプション(Amazon Pay)で提供されています(金額は税抜、2026年9月時点の公式ページによる)。LINEでのログインはスマートフォンからのみです。最新の料金と条件はfutureshopに確認してください。
Salesforce Commerce Cloud(B2C Commerce)
Salesforce B2C Commerceでは、管理画面(Business Manager)でOAuth2のログインプロバイダを設定でき、SFRAにもOAuthでログインする処理が含まれています。ただし、SNSによっては標準の処理のままでは動かず、手を加える必要があります。
SFRAでは、基本のカートリッジ(app_storefront_base)を直接書き換えず、専用のカートリッジを作って上書きするのが推奨されています。ソーシャルログインも、ログインの処理を専用のカートリッジで上書きして実装する方式が取れます。ヘッドレス構成(Composable Storefront)では、APIの認証(SLAS)にOIDCのIDプロバイダをつなぐ方法があります。
SLASでは、同じ人がGoogleとFacebookで別々にログインすると、別の会員として作られることがあると案内されています。複数のSNSを同じ会員にまとめる設計を先に決めてください。
WordPress/WooCommerce
WooCommerceにはソーシャルログインの機能は標準では含まれておらず、公式マーケットプレイスなどで配布される拡張機能(プラグイン)で追加します。拡張機能によって対応するSNSが違い、LINEやYahoo! JAPANに対応しているかは個別に確認が必要です。WordPressやWooCommerceの更新で動かなくなることもあるため、更新前の検証を運用に組み込みます。
カートを選ぶ・方式を選ぶときの5つの確認項目
確認項目 | 確認すること |
|---|---|
1. 対応するSNS | LINE・Yahoo! JAPAN・Appleなど、自社の顧客が使うSNSに対応しているか(6サービスの比較と組み合わせ方) |
2. 既存会員との紐づけ | 既に会員がいる場合、ログイン中にSNSを連携できるか。メールアドレスの一致だけで自動的に統合しないか |
3. SNSの連携設定の名義 | LINEのチャネルやGoogleのクライアントを、自社の名義で作れるか。カートを替えても引き継げるか |
4. 取得できる情報 | メールアドレスや氏名を会員情報に入れられるか。会員登録フォームへの自動入力に使えるか |
5. 保守の担当 | SNSの仕様変更やカートの更新に、誰が対応するか |
特に3と5は、導入時の比較表に載りにくい項目です。カートの移行やプラグインの入れ替えで、SNSアカウントと会員の紐づけが失われると、会員が同じSNSでログインしても別人として扱われます。
LINEの自動友だち追加(友だち追加を最初からオンで表示する設定)は、LINEヤフーの認証を受けた「認証プロバイダー」のチャネルでだけ使えます。認証は原則として法人が対象で、LINE公式アカウントの認定代理店(パートナー)を通じて申請します。どの方式でも同じです。申請には時間がかかるため、早めに始めてください(LINEログインの友だち追加)。
方式別の選び方
- 標準機能で必要なSNSがそろうなら……まず標準機能を使う。追加の費用と保守が最も小さい
- 標準機能にないSNSが必要なら……プラグインか外部サービスとの連携を検討する。複数のSNSをまとめて管理したい場合は外部サービスが向いている
- 複数のサイトやアプリで会員を共通にしたいなら……カートの外にログインの仕組みを置き、APIやOIDCでつなぐ
- 画面や処理を作り込みたいなら……独自の開発。SFCCのカートリッジのように、カートの拡張の仕組みに沿って作る
費用の考え方はソーシャルログインの導入費用、導入の段取りはソーシャルログインの導入手順と期間で解説しています。
よくある質問
カートを移行すると、ソーシャルログインの連携は引き継げますか?
方式によります。SNSアカウントと会員の紐づけ情報をカート側だけで持っていると、移行で失われることがあります。紐づけ情報を取り出せるか、SNSの連携設定を自社の名義で持てるかを、導入時に確認してください。乗り換えの進め方はソーシャルログインの乗り換え手順を参照してください。
標準機能とプラグイン、どちらを選ぶべきですか?
必要なSNSが標準機能でそろうなら、標準機能が手間も保守も最も小さくなります。LINEやYahoo! JAPANなど標準にないSNSが必要な場合や、会員登録フォームへの自動入力などを使いたい場合に、プラグインや外部サービスを検討します。
SaaS型のカートでも外部のソーシャルログインサービスを使えますか?
カートが外部の認証とつなぐ仕組み(OIDCやAPI)を公開しているかで決まります。公開していない場合は、カートの標準機能の範囲で対応することになります。各カートに確認してください。
ソーシャルログインを入れると、パスワードでのログインはなくなりますか?
なくす必要はありません。多くの場合、メールアドレスとパスワード(または確認コード)でのログインと並べて提供します。パスワードそのものを減らしたい場合は、パスキーの併用も選択肢です(パスキー導入の進め方)。
Login Plus について

Login Plusは、6つのソーシャルログイン(Apple・Facebook・Google・X(旧Twitter)・Yahoo! JAPAN・LINE)とパスキーに1つの実装で対応できるサービスです。ECカートとは、API(ソーシャルログイン・ユーザー情報の取得・連携アカウントの管理など)で連携します。
- 各SNSへの申請手順書を無償で提供
- 各SNSの仕様変更にはLogin Plus側で対応
- フォームアシスト:SNSから取得した情報を会員登録フォームに自動で入力
- LINEの自動友だち追加に対応(LINE公式アカウントの認定代理店を通じた申請が別途必要)
- 他のサービスからの移行は、CSVまたはBulkAPIでIDを一括で発行
お使いのカートと連携できるかは、構成に合わせて個別にご相談ください。料金は料金ページ、導入の進め方は導入の流れをご覧ください。
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