ソーシャルログインの導入費用|内製・IDaaS・専用サービスの総コストを比べる
ソーシャルログインの費用は、月額料金だけで比べると判断を誤ります。内製なら月額はかかりませんが、各SNSの仕様変更に追随する保守が続きます。本記事では費用を5つの項目に分け、内製・IDaaS・専用サービスの違いと、自社で総コストを見積もる方法を示します。
結論:月額ではなく「5つの費用の合計」で比べる
ソーシャルログインの費用を比べるときによくある誤りが、月額料金だけを並べることです。月額0円の内製がいちばん安く見えますが、実際には次の費用が発生します。
- SNSごとの実装とテスト
- 各SNSへの申請と、審査への対応
- SNS側の仕様変更への追随
比べるべきは、初期費用と、1〜3年間に発生する費用の合計です。以下、費用を5つの項目に分けて説明します。
ソーシャルログインの費用を構成する5つの項目
項目 | 内容 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
1. 初期実装 | ログインボタン、ログイン後の処理、自社の会員との紐づけ | SNSの数だけ実装とテストが増える |
2. SNSへの申請 | 開発者登録、アプリの作成、情報を取得するための申請 | 審査の待ち時間。Appleは有料の開発者登録が必要 |
3. 月額利用料 | サービスを使う場合の料金 | 課金の単位(アクティブ数か累積数か) |
4. 保守 | SNS側の仕様変更への対応、鍵やシークレットの更新 | 実装した担当者の異動で知見が失われる |
5. 運用 | 「ログインできない」問い合わせ、会員の重複への対応 | 同じ人が複数の会員IDを作る |
1. 初期実装
ログインボタンを置き、SNSから戻ってきた利用者を自社の会員と照合する処理です。SNSごとに仕様が違うため、内製では対応するSNSの数だけ実装が必要になります。
サービスを使う場合も、自社サイト側の実装はゼロになりません。ログインボタンの設置と、会員との紐づけは自社で行います。
2. SNSへの申請
ソーシャルログインを使うには、SNSごとに開発者向けの登録とアプリの作成が必要です。メールアドレスなどの情報を取得するには、別途申請や審査が入るSNSもあります。
- Apple……Apple Developer Program(有料)への登録が必要
- LINE……メールアドレスの取得には申請が必要
- Yahoo! JAPAN……属性情報の取得には簡易審査が必要
申請そのものの費用は小さくても、手順を調べ、審査の差し戻しに対応する社内の工数がかかります。SNSごとの手続きはソーシャルログインの導入手順と期間にまとめています。
3. 月額利用料
サービスを使う場合の料金です。課金の単位は、月間のアクティブユーザー数で数えるものと、連携した利用者の累積数で数えるものがあります。単位が違うサービス同士は、月額を並べても比較になりません。
4. 保守(仕様変更への追随)
内製でもっとも膨らみやすいのが保守です。SNS側では、APIの変更や審査基準の見直しが繰り返し行われます。各SNSの仕様書やお知らせは英語のものが多く、影響範囲を調べるところから作業が始まります。
定期的な作業もあります。たとえばAppleでサインインでは、認証に使うクライアントシークレットの有効期限が最長6か月で、期限前に作り直す必要があります。
5. 運用
公開後は「ログインできない」「前回どれで登録したか分からない」といった問い合わせが発生します。同じ人が別のSNSで登録すると会員IDが2つできるため、統合の依頼にも対応が必要です。
3つの方式で、費用の構造はどう違うか

内製 | IDaaS(汎用の認証基盤) | ソーシャルログイン専用サービス | |
|---|---|---|---|
初期費用 | 実装の人件費(SNSの数に比例) | 設定と接続の実装 | 初期費用と接続の実装 |
月額 | サーバー費用程度 | 利用者数に応じた従量課金が多い | 利用者数に応じた段階料金が多い |
保守 | すべて自社 | 主にサービス側 | 主にサービス側 |
国内SNS | 自由に実装できる | LINE・Yahoo! JAPANは、製品によって個別の接続設定が必要 | 対応済みのものが多い |
向く会社 | 認証に詳しいエンジニアが社内にいる | 社員向けのSSOも含め、認証全体をまとめたい | 会員登録を増やしたいBtoC・EC・メディア |
どれが安いかは、対応するSNSの数と、認証の保守を続けられる体制が社内にあるかで決まります。方式の選び方はソーシャルログインサービスの選び方で解説しています。
内製の費用を見積もる方法
内製は月額料金がない分、人件費が費用の大半になります。次の式で見積もります。
総コスト =(初期実装 + 申請対応 + テスト + 年間の保守 × 年数)の工数 × エンジニアの単価 + 開発者登録などの実費
工数を出すときは、次の作業を漏れなく数えます。
作業 | 数える内容 |
|---|---|
初期実装 | SNSごとの認可リクエスト、ログイン後の処理、トークンの検証、会員の照合と作成、エラー処理 |
申請対応 | 開発者アカウントの作成、アプリの設定、同意画面、審査資料、プライバシーポリシーの整備 |
テスト | SNS × 利用場面(新規登録/2回目以降/連携の解除)× 環境(PC/スマホ/アプリ内ブラウザ) |
保守 | 仕様変更の情報収集、SDKやAPIの更新、シークレットの更新、障害時の調査 |
見落とされがちなのがテストです。6つのSNSに対応すると、確認する組み合わせは数十通りになります(6つのSNS × 3つの利用場面 × 3つの環境で54通り)。
保守の工数は、実装した担当者が異動・退職した後にいちばん膨らみます。見積もりでは、担当者が替わる前提で年間の保守工数を置いてください。
IDaaSの費用で確認すること
- 課金の単位……月間アクティブユーザー数か登録者数か。上限を超えたときの料金
- 国内SNSへの対応……LINE・Yahoo! JAPANが標準で用意されているか、個別の設定が必要か
- プランによる機能差……必要な機能が上位プランにしか含まれていないことがある
- 通貨……海外製品では料金がドル建てのことがあり、為替で年間の費用が変わる
専用サービスの料金で1年間の費用を試算する
専用サービスの例として、Login Plusの料金で試算します(2026年9月時点・税抜)。
利用ユーザー数 | 月額 |
|---|---|
〜1,000人 | 30,000円 |
1,001〜10,000人 | 50,000円 |
10,001〜100,000人 | 60,000〜140,000円(1万人ごとに10,000円加算) |
100,001人〜 | 個別見積り |
初期費用は50,000円、最低契約期間は12か月です。利用ユーザー数は、月間のアクティブ数ではなく連携した利用者の累積数で数えます(不要になったIDは管理画面から削除できます)。
初年度の費用は次のとおりです。
利用ユーザー数 | 初年度の合計(初期費用 + 月額 × 12か月) |
|---|---|
1,000人 | 410,000円 |
10,000人 | 650,000円 |
30,000人(月額70,000円の区分) | 890,000円 |
この金額には、自社サイト側の実装費(ログインボタンの設置、会員との紐づけ)は含まれません。LINEの自動友だち追加を使う場合は、LINE公式アカウントの認定代理店を通じた申請と、別途費用が必要です。
見積もりを比べるときの注意点
- 課金の単位をそろえる……アクティブ数と累積数では、同じ会員数でも金額が変わる
- SNSを追加したときの費用……料金が上がるか、追加の実装が要るか
- 仕様変更への対応が料金に含まれるか……含まれないなら、内製と同じ保守が残る
- 申請の支援……手順書の提供や問い合わせ対応があるか
- 最低契約期間と解約時のデータ……乗り換えるときに既存会員が困らないか(ソーシャルログインの乗り換え手順)
- 自社側の実装費……サービスを使っても、ログインボタンと会員の紐づけは自社で実装する
よくある質問
ソーシャルログインの利用料はいくらですか?
方式によって変わります。専用サービスは利用者数に応じた月額料金が一般的で、Login Plusは月額30,000円から(税抜・初期費用50,000円)です。内製では月額はかかりませんが、実装と保守の人件費が発生します。
無料で導入できますか?
各SNSのログイン機能は、多くが無料で使えます。ただしAppleでサインインには有料のApple Developer Programへの登録が必要で、利用条件が変わるSNSもあります。無料になるのは利用料だけで、実装と保守の人件費は別に発生します。
内製とサービス利用は、どちらが安いですか?
対応するSNSが1〜2つで、認証に詳しいエンジニアが保守を続けられるなら、内製のほうが安くなることがあります。3つ以上のSNSに対応する場合や、LINEの友だち追加など申請が絡む機能を使う場合は、保守と申請の工数を含めるとサービス利用が有利になりやすいです。
見積もりを依頼するときは、何を伝えればよいですか?
次の4点があれば、精度の高い見積もりが出せます。
- 現在の会員数と、1年間の増加の見込み
- 対応したいSNS
- 既存の会員システムの構成(自社開発か、パッケージか)
- LINE公式アカウントを運用しているか
Login Plus について

Login Plusは、6つのソーシャルログイン(Apple・Facebook・Google・X(旧Twitter)・Yahoo! JAPAN・LINE)とパスキーに1つの実装で対応できるサービスです。
- 各SNSの仕様変更にはLogin Plus側で対応
- 各SNSへの申請手順書を無償で提供
- 利用ユーザー数に応じた段階制の料金(月額30,000円〜・初期費用50,000円・税抜)
- Login Plusが仲介した個人データは、取得から1時間で自動削除
自社の会員数で費用を試算したい場合は、資料請求またはお問い合わせからご相談ください。
ソーシャルログイン・パスキーの資料をお送りします
対応SNS・料金・実装の流れ・導入事例をまとめています。
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