ソーシャルログインとは?仕組み・メリットとデメリット・導入方法を解説
ソーシャルログインとは、LINEやGoogleなど普段使っているアカウントで、Webサイトに会員登録・ログインできる仕組みです。パスワードを作らずに登録でき、事業者は途中離脱を減らせます。本記事では仕組み、主要な6サービスの選び方、メリットとデメリット、SSOとの違い、導入方法と費用の考え方を解説します。
ソーシャルログインとは

ソーシャルログインとは、利用者が普段使っているSNSなどのアカウントで、Webサイトやアプリに会員登録・ログインできる仕組みです。「LINEでログイン」「Googleでログイン」といったボタンがその例です。
利用者は新しくIDとパスワードを作る必要がなく、SNSの画面で許可するだけで登録が終わります。事業者にとっては、会員登録やログインの途中で離脱する人を減らせる仕組みです。
国内でよく使われるのは、LINE・Google・Apple・Yahoo! JAPAN・Facebook・X(旧Twitter)の6つです。
従来の会員登録との違い
従来の会員登録 | ソーシャルログイン | |
|---|---|---|
登録の手順 | メールアドレス・パスワード・氏名などを入力し、確認メールを開く | ボタンを押し、SNSの画面で許可する |
2回目以降 | IDとパスワードを入力する | ボタンを押す(SNSにログイン中なら入力は不要) |
パスワード | サービスごとに作り、覚えておく | 作らない |
事業者が保管するもの | パスワード(ハッシュ化したもの) | パスワードは保管しない |
入力の手順と確認メールの往復がなくなるため、登録画面までたどり着いた見込み客を取りこぼしにくくなります。
仕組み:パスワードを渡さずに本人確認する

ソーシャルログインは、OAuth 2.0とOpenID Connectという共通の規格の上で動きます。ポイントは、SNSのパスワードがログイン先のサイトに渡らないことです。ログインの流れは次のとおりです。
- 利用者がボタンを押す……「LINEでログイン」などを選ぶ
- SNSで本人確認と同意……SNSの画面でログインし、サイトに渡す情報を確認して許可する
- 認可コードが返る……SNSは利用者をサイトへ戻すとき、一時的な「認可コード」を渡す
- サイトが情報を受け取る……サイトのサーバーが認可コードをSNSに送り、本人であることの証明と、許可された情報(氏名・メールアドレスなど)を受け取る
- 会員と照合する……SNSが発行した固有のIDで自社の会員を探し、見つかればログイン、いなければ新規登録にする
4番目のやり取りは、ブラウザではなくサーバー同士で行われます。技術的な詳細と、実装で守るべき点はソーシャルログインの仕組みとセキュリティで解説しています。
会員の照合には、メールアドレスではなく、SNSが発行する固有のIDを使います。メールアドレスは利用者が変更でき、SNSによっては取得できないためです。
OAuth 2.0 と OpenID Connect の違い
2つの規格は役割が違います。
- OAuth 2.0……「このサイトに、あなたの情報へのアクセスを許可しますか」という認可の仕組み
- OpenID Connect……OAuth 2.0 の上に載り、「この人は誰か」を伝える認証の仕組み
ログインに使うのは OpenID Connect です。情報へのアクセスを許可されただけでは、本人であることの根拠になりません。
主要な6つのサービスと選び方

どれを載せるかは、自社の利用者がどのアカウントを持っているかで決まります。
サービス | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
LINE | 国内のBtoC全般 | メールアドレスの取得には申請が必要。ログインと同時に友だち追加を案内できる |
BtoB、PCからの利用が多いサービス | 氏名とメールアドレスを安定して取得できる | |
Apple | iOSアプリを提供している場合 | 利用者がメールアドレスを隠す選択ができる |
Yahoo! JAPAN | EC、比較的年齢層が高いサービス | 属性情報の取得には簡易審査が必要 |
実名性の高いコミュニティ | 取得する情報によってはMetaの審査が必要 | |
X(旧Twitter) | 発信力のある利用者が多いサービス | 取得できる情報は限られる |
すべてを載せる必要はありません。選択肢が多いと、利用者は前回どれで登録したかを忘れ、同じ人が複数の会員IDを作ります。2〜4つに絞るのが現実的です。事業形態ごとの組み合わせは6サービスの比較と組み合わせ方で解説しています。
利用者と事業者、それぞれのメリット
利用者のメリット
- 新しいIDとパスワードを作らなくてよい
- 氏名やメールアドレスを入力する手間が減る
- 2回目以降は、ボタンを押すだけでログインできる
- サイトにSNSのパスワードを預けずに済む
事業者のメリット
- 会員登録の途中離脱が減る……入力と確認メールの手順がなくなる
- 再訪時のログインが続く……「パスワードを忘れた」による離脱と、再設定の問い合わせが減る
- パスワードを保管しなくて済む……保管しないものは漏えいしない
- 入力ミスが減る……メールアドレスなどを手入力せずに受け取れる
- LINEの友だちが増える……ログインと同時に公式アカウントの友だち追加を案内できる(最初からオンで表示するには、LINE公式アカウントの認定代理店を通じた申請が必要)
デメリットと対策
ソーシャルログインには、導入前に知っておくべき負担とリスクもあります。どれも設計と運用の体制で小さくできます。
デメリット | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
SNSの仕様変更 | 認証の仕様や審査基準が変わり、対応しないとログインが動かなくなる | 追随する担当を決める。または仕様変更に対応するサービスを使う |
取得できる情報の限界 | 生年月日や電話番号は取れないことが多い | 必要な項目は、使う場面でフォームで聞く |
SNSが使えなくなる | アカウントの削除・凍結やSNSの障害で、ログインできなくなる | メールアドレスでのログインを残す。複数のSNSを1つの会員に紐づける |
SNSアカウントの乗っ取り | SNSが乗っ取られると、自社サイトにも入られる | 住所変更や決済など、重要な操作の前に本人確認を追加する |
会員の重複 | 同じ人が別のSNSで登録し、会員IDが2つできる | 載せるSNSを絞る。ログイン中に連携を追加できるようにする |
危険性ごとの対策はソーシャルログインの危険性と対策、導入を判断する順序はメリット・デメリットと導入前に確認すべき7点で詳しく解説しています。
取得できる情報

受け取れる情報はSNSによって違います。「入れれば会員情報がすべて埋まる」わけではありません。
情報 | 傾向 |
|---|---|
SNSの固有ID | すべてのSNSで取得できる。会員の識別に使う |
氏名・表示名 | 多くのSNSで取得できる。LINEの表示名は本名とは限らない |
メールアドレス | SNSによる。LINEは申請が必要。Appleは転送用のアドレスになる場合がある |
生年月日・電話番号・住所 | ほとんど取得できない。LINEはProfile+の申請により取得できる場合がある |
取得できない項目は、登録の直後や、購入・予約など使う場面でフォームで聞く設計にします。サービス別の一覧はソーシャルログインで取得できる情報にまとめています。
パスキーとの関係:競合ではなく併用
パスキーは、端末の生体認証やPINでログインする、パスワードを使わない認証方式です(FIDO2 / WebAuthn)。ソーシャルログインとは解決する問題が違います。
- ソーシャルログイン……アカウントを作る手間を省く
- パスキー……パスワードを置き換える
新規登録ではソーシャルログインで入力を省き、自社のアカウントを持つ会員にはパスキーを案内する、という併用が取りこぼしの少ない構成です。詳しくはパスキーとはとパスキー導入の進め方で解説しています。
SSO・IDaaSとの違い
ソーシャルログインとよく比べられる言葉との違いは次のとおりです。
言葉 | 意味 | 主な使われ方 |
|---|---|---|
ソーシャルログイン | SNSなどのアカウントで、外部のサイトに登録・ログインする | 一般の利用者向けの会員サイト、EC、アプリ |
シングルサインオン(SSO) | 1回の認証で、複数のシステムにログインできる | 社内システム、同じ企業グループのサービス間 |
IDaaS | IDの管理と認証をクラウドで提供するサービス | 社員向けのSSOや多要素認証。顧客向けの製品もある |
ソーシャルログインもOpenID Connectなど同じ規格を使うことが多く、技術的には近い関係です。違いの詳細と使い分けはソーシャルログインとSSO・IDaaSの違いで解説しています。
ソーシャルログインが向いているサービス
効果が出やすいのは、会員登録やログインが、利用者の目的の手前にあるサービスです。
サービス | 効く場面 |
|---|---|
EC | 購入の直前に会員登録を求められて離脱する場面。2回目以降の購入時のログイン |
求人・予約・申込 | 応募や予約の前の登録。フォームへの入力の手間 |
会員制のメディア・コミュニティ | 記事の続きを読む、投稿するなど、登録を求めた瞬間 |
スマホアプリ | 初回起動時の登録。機種変更後のログイン |
ECでの効き方はECサイトのソーシャルログイン導入で解説しています。一方、社員が使う業務システムのように、アカウントを組織で管理する必要があるものには向きません。
導入方法と費用の考え方
導入の方法は大きく3つです。
方式 | 向いているケース | 費用の特徴 |
|---|---|---|
内製 | 対応するSNSが1〜2つで、認証に詳しいエンジニアが社内にいる | 月額はかからないが、実装と保守の人件費が続く |
IDaaS | 社員向けのSSOも含め、認証全体をまとめたい | 利用者数に応じた従量課金が多い。国内SNSは製品によって個別の設定が必要 |
ソーシャルログイン専用サービス | 会員登録・ログインの離脱を減らしたいBtoC・EC・メディア | 初期費用と月額料金。仕様変更への追随はサービス側 |
比べるときは月額だけでなく、実装・申請・保守を含めた総額で見てください。費用の内訳はソーシャルログインの導入費用、比較の項目はソーシャルログインサービスの選び方で解説しています。
導入には、各SNSへの申請と設定、自社サイトへの実装、テストが必要です。時間がかかるのは実装より申請で、要件が決まったらすぐに申請を始めるのが、期間を延ばさない方法です。Login Plusの場合、最短3週間、平均約2か月でリリースいただいています。手順はソーシャルログインの導入手順と期間をご覧ください。
導入前に確認すべきこと
- 載せるSNS……自社の利用者が持つアカウントから、2〜4つに絞ったか
- 必要な情報……取得できない項目を、どの場面のフォームで補うか
- 会員の識別……メールアドレスではなく、SNSの固有IDで識別する設計になっているか
- 既存会員との紐づけ……同じ人が新しい会員として登録されない導線があるか(アカウント統合の設計)
- 代わりのログイン手段……SNSが使えなくなった利用者が、別の方法で入れるか
- 取得した情報の扱い……利用目的をプライバシーポリシーに記載したか。内容は自社の法務・管理部門に確認する
- 保守の担当……SNSの仕様変更に、誰が追随するか
よくある質問
ソーシャルログインの例には何がありますか?
「LINEでログイン」「Googleでログイン」「Appleでサインイン」「Yahoo! JAPAN IDでログイン」などです。ECサイト、求人サイト、予約サイト、アプリの会員登録画面でよく使われています。
ソーシャルログインはどれがいいですか?
利用者層で決めます。国内のBtoCならLINE、BtoBならGoogle、iOSアプリがあるならAppleが基本です。載せすぎると利用者を迷わせるため、2〜4つに絞ってください。
利用料はいくらですか?
各SNSのログイン機能は多くが無料で使えますが、Appleでサインインには有料の開発者登録が必要です。専用サービスを使う場合は月額料金がかかり、Login Plusは月額30,000円から(初期費用50,000円、2026年9月時点・税抜)です。詳しくは料金ページをご覧ください。
ソーシャルログインは安全ですか?
SNSのパスワードはサイトに渡らず、サイト側もパスワードを保管しません。一方で、SNSアカウントが乗っ取られると連携先にも入られます。利用者はSNS側で多要素認証を設定し、事業者は重要な操作の前に本人確認を追加するのが有効です。
ソーシャルログインを使わない人がいるのはなぜですか?
「SNSの情報がサイトに渡るのが不安」「SNSに投稿されるのでは」といった心配が主な理由です。ログインのための連携で、SNSに投稿されることは通常ありません。事業者は、受け取る情報と使い道をログインボタンの近くで説明すると、不安を減らせます。
SSOとの違いは何ですか?
SSOは、1回の認証で複数のシステムを使えるようにする仕組みで、主に社内で使われます。ソーシャルログインは、SNSのアカウントで外部のサイトに登録・ログインする仕組みです。
Login Plus について

Login Plusは、6つのソーシャルログイン(Apple・Facebook・Google・X(旧Twitter)・Yahoo! JAPAN・LINE)とパスキーに1つの実装で対応できるサービスです。
- 各SNSの仕様変更にはLogin Plus側で対応
- 取得した情報をフォームへ自動入力する、フォームアシスト機能
- LINEの自動友だち追加に対応(LINE公式アカウントの認定代理店を通じた申請が別途必要)
- 複数のSNSを1つの会員IDに紐づけ可能
- 各SNSへの申請手順書を無償で提供
- Login Plusが仲介した個人データは、取得から1時間で自動削除
- 最短3週間、平均約2か月でリリース
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