国内における個人のインターネット利用率は国民全体の約9割(総務省「令和2年通信利用動向調査」より)と、個人が何らかのオンラインサービスを利用するのが当たり前の時代となりました。ユーザがオンラインサービスにログインする際、便利に利用できる機能として近年広がりを見せているのが「ソーシャルログイン」です。本記事では、ソーシャルログインの基本的な知識やユーザと企業それぞれのメリット・デメリット、導入方法を紹介します。※目次※1.ソーシャルログインとは2.ソーシャルログインに使われる代表的なSNSサービス5選3.ソーシャルログインのメリット4.ソーシャルログインのデメリット5.ソーシャルログインの導入方法ソーシャルログインとはオンラインサービスを利用する際、普段使っているTwitterやLINEといったSNSに登録した情報を用いて新規登録やログインをする仕組みを「ソーシャルログイン」といいます。通常、新規登録では氏名やメールアドレス・パスワードといった情報を入力しなければなりません。また、アカウントを作成しても、毎回IDを入力することやサービスごとにパスワードを覚えておくことに煩わしさを感じる方もいるでしょう。ソーシャルログインを利用できるサービスの場合、新規登録時にはSNSに登録した情報がフォームに自動反映されることでユーザが入力する情報が減り、2回目以降はSNSのボタンを押すだけでログインできます。ソーシャルログインに使われる代表的なSNSサービス5選ユーザの利便性の観点から、ソーシャルログインによく使われるのが利用者の多いSNSや会員制Webサイトです。ここでは、代表的な5つのサービスの概要と特徴を紹介します。LINELINEは国内で最もユーザ数が多いSNSで、ソーシャルログインに使用される代表的なSNSの一つです。ソーシャルログインを利用して新規登録すれば、2回目以降はLINEを選択するだけでサービスへのログインが完了します。企業がLINE公式アカウントを利用している場合、ユーザがLINEアカウントでログインする際に友だち追加チェックがされた状態で許可画面が立ち上がる「自動友達追加機能」も実装可能です。LINE公式アカウントを用いてOne to Oneマーケティングを実施している企業にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。Twitter140文字以内の短い文章を投稿するTwitterも、ソーシャルログイン時に利用されるケースがあります。個人の利用においては匿名性が高く、複数のアカウントを所持しているユーザが多いのが特徴です。また、Twitterはリツイートや「いいね」による情報拡散力が高いSNSです。Twitterの利用者をユーザとして取り込むことで、副次的効果としてより多くの方に自社サービスを知ってもらうのに役立つでしょう。FacebookFacebookは実名での登録を原則としているSNSです。Facebookを用いてソーシャルログインしてもらうことで、正確な個人名が取得できることが想定されます。また、広告ターゲティングのオプションである「カスタムオーディエンス」を利用すると、Facebook上に存在する既存顧客にフラグがつけられます。さらに「類似オーディエンス」を活用すれば、既存顧客と似た行動をしている顧客に対しても広告配信が可能です。優良ターゲットにアプローチしやすい仕組みのため、ターゲットマーケティングへの応用に向いているでしょう。Yahoo!JAPANYahoo! JAPANは日本最大級のポータルサイトです。ニュースや天気、ショッピングやオークションといった生活に密着したサービスが充実しています。最近ではスマホ決済サービスPayPayとの連携で利便性が上がったことにより利用者が増加傾向です。Yahoo!ショッピングに出店している企業が自社ECサイト上にもソーシャルログインを導入すれば、Yahoo!ショッピングから来訪したユーザがログインしやすい環境を構築できるでしょう。ソーシャルログインのメリットユーザにとってのメリットIDやパスワードの管理の負担が減る一般的にオンラインサービスごとにアカウントが必要なため、利用するサービスが増えるほどIDやパスワードも増えます。しかし、全てのIDやパスワードを管理するのは容易ではないでしょう。IDやパスワードをノートに記録する人もいますが、盗難や紛失、盗み見のリスクがあるため、安全とは言えません。ソーシャルログインを利用すれば、登録するオンラインサービスが増えてもIDやパスワードが増えずに管理しやすいでしょう。ただし、オンラインサービスによっては脆弱性による情報漏えいの危険があるため、注意が必要です。登録時の入力が簡略化できるアカウントを作成する際、毎回メールアドレスや氏名を登録フォームに入力するのは手間がかかります。ソーシャルログインを利用すれば、SNSから必要な情報を取得してフォームに自動反映するため、新規登録時に入力する手間を大きく減らせます。また、2回目以降はソーシャルログインに使ったSNSのボタンを押すだけでログインできるため、「新規登録時に入力したメールアドレスを忘れてしまったためログインできない」といった事態も防げます。企業にとってのメリット新規会員の獲得につながるソーシャルログインによりSNSの情報を反映し、新規登録時の入力を簡略化することは、ユーザだけでなく企業にとっても大きなメリットです。入力に手間がかかると、ユーザは「面倒」「煩わしい」という気持ちから新規登録を諦めて、サービスの利用自体をやめてしまう恐れがあります。一方、ソーシャルログインで登録時の負担を減らせば、離脱率が下がって機会損失を回避できます。登録のハードルを下げることで、新規会員の獲得増加にもつながるでしょう。リピート率の向上につながるオンラインサービスごとに異なるIDやパスワードを使用すると、IDやパスワードを忘れるという事態が考えられます。ログイン画面からパスワードの再発行に遷移できるシステムもありますが、手間がかかることから利用を諦めるユーザも少なくありません。ソーシャルログインを利用して登録すれば、2回目以降はSNSのボタンを押すだけでログインが可能です。IDやパスワードを忘れたことによる利用機会の損失を防ぎ、リピート率の向上が期待できるでしょう。ユーザの詳しい情報を得られるSNSに登録してあるユーザの情報を得られることも、ソーシャルログインを利用するメリットの一つです。氏名やメールアドレスのほかにも、利用するSNSによっては性別や居住地域、電話番号といった情報も得られます。ECサイトで詳細な情報が必要な場合、特に大きなメリットと言えるでしょう。また、入手した情報を使えば、ターゲットを絞った情報発信にも生かせます。ソーシャルログインのデメリット導入のコストがかかるデメリットの一つとして、導入コストの高さが挙げられます。オンラインサービスに独自開発でソーシャルログインを組み込むには、SNSが提供するAPIを用いた実装が必要です。OpenID Connect認証やOAuth認証の知識が必要になります。自社に専属のエンジニアがいなければ、外注しなければなりません。また、連携したいSNSが複数ある場合、SNSの数だけ導入・開発コストを要します。SNS側の仕様変更への対応が必要SNSによっては、定期的もしくは突発的にログインに関わる仕様変更が発生することもあります。それに合わせてオンラインサービスも定期的なメンテナンスや変更への対応が必要です。導入時と同様に、連携しているSNSの数だけコストや手間が発生するため、企業の負担も大きくなるでしょう。SNSに登録された情報しか入手できない連携したSNSの情報を取得できるといっても、SNS自体に登録されていない情報は入手できません。例えば、匿名性の高いSNSは実名が登録されていないこともありえます。ECサイトのような正確な個人情報が必要なオンラインサービスに匿名性の高いSNSを使ってソーシャルログインした場合、結局は不足している情報をユーザが入力しなければなりません。ソーシャルログインの導入方法ソーシャルログインをオンラインサービスに導入するには、SNS事業者が公開するAPI・仕様書を利用して自社で開発する方法とソーシャルログインの実装・導入を支援する外部のサービス(ASP)を利用する方法があります。ここでは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。APIを利用する各SNS事業者はソーシャルログイン導入のためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)を提供しています。このAPIを用いて自社開発し、サイトに組み込むことで、ソーシャルログインの機能を実装できます。ただし、新規登録だけでなく、連携の解除や既存アカウントへの連携・退会といったオンラインサービスのシナリオに合わせたシステム設計および開発が必要です。また、APIを取得する際はSNSごとに申請・審査があります。申請内容の不備で審査を通らなかったり審査の時間がかかったりすることも想定しなければなりません。外部のサービス(ASP)を利用するAPIを利用して自社開発する際のデメリットである「導入コストの高さ」「メンテナンスや仕様変更への対応による大きな負担」「連携するSNSごとに必要な対応」は、ソーシャルログインの実装・導入を支援する外部のサービス(ASP)を利用することで解消できます。ASPは複数のSNSに対応しており、低コストで多くのSNSと連携したソーシャルログインの導入が可能です。また、仕様変更にもASPが対応するため、オンラインサービスを運営する企業が作業する必要はほとんどありません。APIを利用して自社で導入・運用するのに比べると、コストや手間を抑えられる点がメリットです。ソーシャルログインなら「Login Plus(ログインプラス)」弊社ではソーシャルログインサービス「Login Plus(ログインプラス)」を提供しており月額5万円から利用可能で、さまざまな特徴がございます。・人気の6つのSNSに対応ログインプラスでは、利用率の高いLINE、Yahoo! JAPAN、X(旧Twitter)、Google 、Facebook、Appleの6つのSNSアカウントに対応しています。企業のターゲットやユーザに適したソーシャルログインの実装が可能です。複数IDの一括導入・管理にも対応しており、開発や運用にかかる工数を大幅に削減できます。より多くのユーザにサービスを提供しつつ、コストも抑えたい企業にもおすすめです。また、全てのIDプロバイダで最新のAPI仕様に対応しているため、仕様変更時のメンテナンスは不要となります。・メンテナンス対応が不要ソーシャルログインを自社開発の場合、各SNSの仕様変更への対応が不定期に求められるため、運用に負担がかかってしまいます。ですが、ログインプラスではSNS仕様変更へのメンテナンスはログインプラス側で行うため不要です。そのためソーシャルログイン導入後の運用工数を削減できる点も大きなメリットといえます。ECサイトに「ログインプラス」を導入し、実装/運用工数を削減しながらサイトUXの改善やデータ収集の強化につなげてみてはいかがでしょうか。・LINEの自動友達追加機能も保有ログインプラスでは、新規登録時にLINEを選択された場合、同時に公式LINEアカウントに友達追加を行う機能を有しています。この機能を利用すると、Webでの新規会員登録と同時にLINEの友達が自動的に増えていくという環境を構築することができます。ソーシャルログインにはメリットが沢山!フォームアシスト機能によって、エントリーフォームからのユーザ離脱も防げるほか、ユーザはIDやパスワードを管理する必要もなくなるため、再ログインもしやすい環境を構築できます。また、ID連携によるマーケティングにも活用できるため、非常にメリットの多い施策といえます。UX改善によるユーザの利用率増加やLTV向上にも寄与するため、導入を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。開発・運用のコストを最小限に抑えられるクラウドサービスのソーシャルログインを実装してサイト会員数の向上やマーケティング施策への活用へとつなげましょう。