ソーシャルログインは、ユーザーが普段利用しているSNSアカウントを使って簡単にログインできる仕組みです。この記事では、ソーシャルログインの具体的な仕組み、導入する際のメリットや注意点について詳しく解説します。ECサイト運営者やWebサービス提供者にとって、ユーザー体験を向上させ、コンバージョン率を高めるための必須の知識をお届けします。目次ソーシャルログインとは?1-1. ソーシャルログインの定義1-2. 従来のログイン方法との違いソーシャルログインの仕組み2-1. OAuthとOpenID Connectとは?2-2. ソーシャルログインの具体的なプロセスソーシャルログイン導入のメリット3-1. ユーザー情報のマーケティング活用3-2. UXの向上によるコンバージョン率の改善3-3. セキュリティの強化ソーシャルログイン導入時の注意点4-1. 実装コストと専門知識の必要性4-2. SNS側の仕様変更のリスクソーシャルログイン導入を簡単にする方法5-1. クラウドサービスの活用5-2. サードパーティツールの選定ポイントまとめ1. ソーシャルログインとは?1-1. ソーシャルログインの定義ソーシャルログインとは、ユーザーが普段利用しているSNSアカウントを使用して、Webサイトやアプリケーションにログインすることを可能にする仕組みです。たとえば、Facebook、Google、Twitter、LINEなど、複数のSNSプラットフォームが提供する認証機能を使って、ユーザーが新たにIDやパスワードを作成することなく、既存のSNSアカウントでログインできます。1-2. 従来のログイン方法との違い従来のログイン方法では、新規登録の際にユーザーが個人情報を入力し、IDやパスワードを設定する必要がありました。しかし、ソーシャルログインでは、SNSから取得された情報を自動でフォームに反映するためこれらのステップが簡略化され、会員登録時のユーザーの離脱率が減少します。また、ソーシャルログインにより、ユーザーが複数のパスワードを管理する煩雑さから解放されるため、サービス利用のハードルが大幅に低くなります。2. ソーシャルログインの仕組み2-1. OAuthとOpenID Connectとは?ソーシャルログインの根幹を支えている技術として、OAuthとOpenID Connectがあります。OAuthは、ユーザーが特定のWebサービスにアクセスする際に、別のサービス(SNSなど)がユーザーの許可を得て、そのサービスに限定されたアクセス権を提供するためのプロトコルです。これにより、ユーザーは自身の情報を別のサイトやアプリケーションに提供することなく、ログインを行うことができます。OpenID Connectは、OAuthにユーザーのアイデンティティ確認機能を加えたものです。これにより、ユーザーの本物性を確認し、より安全にログインを行えるようになります。2-2. ソーシャルログインの具体的なプロセスソーシャルログインのプロセスは、以下のステップで進行します:ユーザーがソーシャルログインボタンをクリック:Webサイトやアプリケーションに設置された「Googleでログイン」や「Facebookでログイン」などのボタンをクリックします。SNSの認証ページにリダイレクト:ユーザーはSNS側の認証ページに移動し、SNSアカウントの認証情報を入力します。認証の許可を求める:SNSがユーザーに、Webサイトやアプリケーションがユーザー情報にアクセスする許可を求めます。認証情報の返送:ユーザーが許可を与えると、SNSはWebサービスに対して、ユーザーの基本情報(名前やメールアドレスなど)を返送し、ログインが完了します。Webサービス側のアカウント作成(必要に応じて):一部のサービスでは、初回ログイン時に、SNSの情報をもとに会員アカウントが作成されます。3. ソーシャルログイン導入のメリット3-1. ユーザー情報のマーケティング活用ソーシャルログインを利用すると、SNSに紐づいたユーザー情報を取得できます。これにより、マーケティング活動においてユーザーの興味や嗜好に基づいたターゲティングも可能となり、コンバージョン率の向上が期待できます。特に、近年のCookie規制強化に伴い、1stパーティーデータの重要性が高まっています。ソーシャルログインを活用することで、ユーザーの行動履歴や属性情報を正確に把握し、より精度の高いマーケティング施策を展開できます。3-2. UXの向上によるコンバージョン率の改善従来のログイン方法では、登録やログインの煩雑さが原因でユーザーが離脱することが多くありました。ソーシャルログインはこの煩わしさを解消し、UXを向上させることで、カゴ落ちのリスクを低減し、コンバージョン率の向上につながります。3-3. セキュリティの強化ソーシャルログインでは、SNSが提供する多要素認証(MFA)や2段階認証の利用が可能です。これにより、従来のログイン方法よりも高いセキュリティレベルが確保され、ユーザーのアカウント情報が不正アクセスから保護されます。また、企業側でも、ユーザーのパスワード管理負担が軽減され、セキュリティリスクが減少します。4. ソーシャルログイン導入時の注意点4-1. 実装コストと専門知識の必要性ソーシャルログインを導入するためには、各SNSプロバイダのAPI仕様に従って開発を行う必要があります。この作業には高度な技術的スキルが求められ、特に社内にエンジニアがいない場合は、外部委託が必要となり、コストが増大する可能性があります。4-2. SNS側の仕様変更のリスクSNSプラットフォームの仕様は定期的に更新されることがあり、これに対応するためのメンテナンスが必要になります。SNSのAPIが変更されると、ソーシャルログイン機能が突然動作しなくなるリスクもあるため、常に最新の情報を把握し、迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。特に、頻繁に利用されるSNSで仕様変更があった場合、それに対応するための開発やテストが必要となるため、予期せぬコストやリソースの消費が発生する可能性があります。5. ソーシャルログイン導入を簡単にする方法5-1. クラウドサービスの活用ソーシャルログイン機能を簡単に導入する方法の一つとして、クラウドベースの認証サービスを活用することが挙げられます。これらのサービスは、複数のSNSプラットフォームに対応しており、APIの更新やメンテナンスを自動で行うため、企業側の負担を大幅に軽減します。代表的なサービスには、弊社の提供するLogin Plusの他、IDaaS領域のAuth0、Oktaなどがあります。これらのサービスは、簡単な設定でソーシャルログイン機能を導入できるだけでなく、高度なセキュリティ機能やカスタマイズオプションも提供しています。5-2. サードパーティツールの選定ポイントサードパーティツールを選定する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。対応SNSの範囲:どのSNSに対応しているかを確認しましょう。主要なSNSに対応していることはもちろん、将来的に新たなSNSに対応する可能性があるツールを選ぶことが望ましいです。セキュリティ機能:多要素認証(MFA)やセキュリティ監査ログの提供など、ツールがどの程度のセキュリティを提供しているかを確認することが重要です。特に、企業の業種や取り扱うデータの種類に応じたセキュリティ要件を満たしているかを確認する必要があります。メンテナンスサポートの有無:ツールが提供するメンテナンスサポートやカスタマーサポートの質も重要な選定基準です。特に、SNSのAPIが変更された際に迅速に対応できるサポート体制があるかどうかを確認しましょう。コストとライセンスモデル:サードパーティツールの導入コストと、そのライセンスモデルが自社の予算やビジネスモデルに合致しているかを検討する必要があります。特に、長期的に利用する場合のコストシミュレーションを行い、費用対効果を評価することが重要です。6. まとめソーシャルログインは、ユーザーにとっては簡単で便利なログイン方法を提供し、企業にとってはユーザーエクスペリエンスの向上やマーケティングデータの活用、セキュリティ強化など多くのメリットをもたらします。しかし、導入にあたってはコストや専門知識が必要であり、SNSの仕様変更に対するメンテナンスも欠かせません。効果的にソーシャルログインを導入するためには、クラウドサービスやサードパーティツールの活用が有効です。これらを活用することで、初期の導入コストを抑えつつ、機能の維持やセキュリティ面でのリスクを最小限に抑えることが可能です。最終的に、ソーシャルログインの導入がもたらすメリットと、そのために必要なリソースをしっかりと天秤にかけ、ビジネスに最適な選択をすることが成功の鍵となります。Q&AQ1: ソーシャルログインを導入すると、ユーザー情報はどの程度取得できますか?A1: SNSごとに取得できる情報には違いがありますが、基本的な情報として氏名、メールアドレス、プロフィール画像などが取得可能です。一部のSNSでは、さらに詳細な情報を取得できる場合もありますが、これにはユーザーの同意が必要なこともあります。Q2: ソーシャルログインの導入にはどれくらいのコストがかかりますか?A2: 導入コストは、開発の難易度や外部委託の有無によって異なりますが、クラウドサービスを利用することで初期コストを大幅に削減することが可能です。具体的なコストは、利用するサービスやツールの選定、導入規模によって異なりますが、利用ユーザー数や認証機能のカスタマイズ規模によって月額で数万円から数十万程度まで差があります。Q3: ソーシャルログインを導入する際に注意すべき点は何ですか?A3: ソーシャルログインの導入に際しては、実装コストやSNSの仕様変更によるメンテナンスの必要性が大きな課題となります。これらのリスクを管理するためには、定期的なメンテナンス体制の整備や、迅速に対応できるサードパーティツールやクラウドサービスの活用が推奨されます。また、セキュリティ面でも、多要素認証の活用やプライバシーポリシーの適切な運用が重要です。ソーシャルログインを実装するならログインプラス多くのメリットがあるソーシャルログインは、さまざまな企業がサービスを提供しています。そのなかでもおすすめしたいのが、ソーシャルログインサービス「Login Plus(ログインプラス)」で。いくつかの特徴があります。国内で最大の6つのSNSプロバイダに対応しているログインプラスはLINE / Yahoo! JAPAN / Twitter / Google / Facebook / Apple の6つのSNSプロバイダに対応可能です。SNSによってそれぞれ取得できる情報や特徴が異なるため、どのSNSを利用するかは導入企業のサイト環境に合わせてカスタマイズすることもできます。各種SNSが持つ特性は以下の通りです。LINE・国内でもっとも利用者数が多く、利用者層も幅広い。・公式アカウント連携によってメッセージ配信などのマーケティング活動も可能。Yahoo! JAPAN・取得できるデータ数が多い→オークションやショッピングサイトと共通のアカウントなため、住所など詳細なユーザー情報をプロバイダから取得できる可能性が高いです。X(旧Twitter)・世界的にユーザー数が多い・取得した情報をツイッター広告と連携して活用することが可能Google・ビジネスからプライベートまでの幅広い用途で利用されている。FaceBook・実名性が高いSNSであるため正確なプロフィール情報を取得することができる。・国外での利用ユーザー数が多いApple・プロバイダ側で他要素認証を行っているためセキュリティが担保されているSNSの仕様変更対応はログインプラス側で対応各種SNSの仕様変更に伴うメンテナンス対応も全てログインプラス側で行うため、技術面やコスト面での問題も解決することができます。また、その他サポート内容も非常に充実しており、実装・運用に困った時でも安心して利用することが可能です。開発・運用のコストを最小限に抑えられるクラウドサービスのソーシャルログイン「ログインプラス」を実装してサイト会員数の向上やマーケティング施策への活用へとつなげてみてはいかがでしょうか